2021年1月17日聖教新聞6面「壮年部のページ」

 「直球勝負 @伝言板」コーナーに寄せられた投稿の中から、2人の方に話を聞きました。1人は、自ら考案した水着素材のマスクが人気を博した埼玉県川口市の山田誠さん。もう1人は、指定難病の「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」と闘いながら地域貢献を続ける東京都葛飾区の浅野昌彦さんです。

埼玉県川口市 山田誠さん(60)

諦めない祈りこそ

 壮年部で本部長として奮闘する山田誠さん(60)=川口新世紀圏・戸塚支部=が、水着の製造・販売会社に就職したのは22歳の時。
 「その頃、男子部の先輩に誘われて、会合に参加しました。同世代の青年の生き生きとした姿に光を見いだし、本気で活動を始めました」
 23歳で胃がんを患ったが、同志の励ましに支えられ、信心根本に克服。創価班で薫陶を受けながら、仕事でも実証を示そうと努力を続けた。40歳の頃には、自らが所属する子会社の売り上げを、親会社に迫るまでに発展させた。
 しかし2011年、東日本大震災が発生し、売り上げが激減。時を同じくして、小学2年生の次女が人間関係に悩むようになった。
 山田さんは、多忙のあまり仕事に流されていた自身の生活を猛省。
 「毎朝、次女と一緒に家族で勤行を行いました。ちょうど、その頃でした。“支部長に”との話を受けたのです。任命までの2カ月間、祈り抜きました」
 2カ月後、次女は笑顔で通学できるようになり、山田さんは支部長として新たなスタートを切った。
 その後、会社の業績は徐々に回復し、16年には代表取締役に就いた。しかし、業界を取り巻く市場の変化で事業の縮小を余儀なくされ、昨年3月には、会社を畳むことになった。
 従業員の雇用先にめどが付いた頃、取引先の一つだった現在勤務する繊維の商社の社長から誘いがあり、4月、再就職を果たした。
 当時、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マスクの需要が高まっていた。山田さんは、これまでの知識と経験を生かして、水着素材でマスクを製造・販売することを提案。水着素材ならではの“洗って使える”速乾性と耐久性、そして、ひんやり感、柔らかい肌触りなどが支持を得て、ヒット商品を生み出すことができた。
 「一番苦しかった一昨年、昨年と、“祈っても祈っても好転しないのは、なぜだろう”と思い悩んだこともありました。しかし、断じて諦めませんでした。全ての苦難は“今この時”のためだったのです。仏法に無駄はないと改めて教えられました。縁する方々への感謝を忘れず、『今、できること』に全力で挑戦していきます」 

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